翼を下さい。

ランドセルを背負って黄色い帽子をかぶっていたあの頃の私。

常に恐怖を胸に抱えていた。
恐怖は日常だった。逃れられなかった。

 

だからいつも自分に言い聞かせていた。

私は怖くない怖くない。
大丈夫。
神さまが見守ってくれている。

 


異国へ移住する前の子供の頃
田園風景や山々が広がるどこにでもあるような田舎に私は住んで居た。
父の職場は小さな山の開けたところにあった。
そのふもと集落があり社宅があり私の家族はそこに拠点を構えていた。
裏庭は林になっていて、秋には落ち葉拾い、どんぐりやクヌギ、栗拾いなどを良くしていた。毛虫に刺されたりもするけれど崖の近くに生える木苺は甘酸っぱくてとても美味しかったからよく取りに行っていた。山頂に備えてある小さな無人神社への道は通常の道とは別に裏山の崖から登って行く別の獣道があってそれは私だけの秘密だった。切り株にキノコを栽培しているのを発見したりした。
秋には紅葉や楓の紅葉が見事で、春には桜が道に脇一面に咲き誇っていた。

 

私は、この山が好きだった。

でも街や学校へ行くには
この山を下りなければならない。
高い杉の木が覆い茂った山林を通り抜けて下って。

 

この山から学校へ通学していたのは兄2人と私しかいなかった。
山を下りると平地に点在している一般サラリーマン家庭の子や農家の子たちと合流して班になって学校へ登校する。

でも帰りは上級生の兄とは下校時間が違う為ひとりで山林を上って帰るしかない。
同じ班の同級生の友達と一緒に帰る事もあるが
山へ上る入口あたりでそれぞれ別の道になる。

 

山の入口で立ち止まる。


この山林を、自分の身長の10倍もあるような高い杉の木に囲まれ昼間でも薄暗いこの山道を通り抜けなければ家には帰れない。
カラスの鳴き声や犬の遠吠え。
野生化したニワトリが杉の木に飛び乗るような不思議な光景も。
全てが不気味だった。
この山林には飼えなくなった犬がよく捨てられる。犬捨て山とも言われていた。
人間に不信感を持った捨て犬が野良犬として住み着いている。
恐怖に駆られながらも林の中を覗いて見ると薄暗い視界の中に光る視線を見つけたりする。
見ちゃダメだ。視線を合わせちゃダメだ。狩られてしまう。
怖くて走って山を駆け上がった事もあった。
しかし逃げると追われるような感覚で余計に物凄く怖くなった。

山林近くで友達2人と遊んでいた時に野良犬数匹に囲まれた事があった。
お腹を空かせた野良犬が時々人がいる集落近くに来る事がある。
だから、怖いと親に言った事もあった気がする。
しかしどうにもならず聞き入れてもらえなかったのか親が何かしてくれた記憶はない。母は小さな弟を抱えて、ノイローゼで心と身体を病んでいた。

 

車では5分程度の距離。
大人は車でしか移動しないから
小学生がひとりでこの道を毎日歩いて帰る恐怖なんて知りもしない。
小学生の歩きでは20分はかかる。
その時間はまるで1日の半分を費やしているかのような感覚に襲われる。
果てしなく長い道のり。

逃れられない道のり。
どうにもならない現実に絶望しながらもこの時間さえ過ぎ去れば怖い思いは消える。
だから自分に言い聞かせる。

 

大丈夫。私は怖くない。
私は何も感じない。


祈りながらずっと目をつぶってけして立ち止まらず
ただ前に進んで淡々と歩いて行けば出口という名の光が見える。

道半ばで立ち止まるのは、すなわち死を意味するかのようなものだった。
だからけして立ち止まら無かった。

 

何も見えない。何も聞こえない。
誰も助けてくれない。
自分でどうにかやり過ごすしかない。

上級生に楯突いたりしたのだろうか。
上級生数人から下校途中に石をなげられた事があった。

でも不思議と怖くは無かった。
痛かったし、悔しかったけれど、家に帰って自分の部屋に入るまでは絶対泣かなかった。
非力な自分ではどうにもならないと諦めてただ耐えた。
耐え続けた。

日が暮れるのが早い冬は薄暗さが闇に近かった。
寒さと暗さが心の隙間を突くように引き締めていた気持ちが脆くなって行く。
時折救いを求めるように、木々の隙間の頭上にだけ明るさがのぞく空を見上げていた。

鳥が悠々と空を羽ばたいていた。

ああ、私も欲しい。
あの翼が。
自由が。

 

ひとっ飛びで家に帰りたい。
早く温まりたい。
この呪われた長い道のりから逃れたい。

 

どうか、神さま。


願いが叶うなら、

 

私に翼を下さい。

 

 

 


お願いだから、どうか。

 


神さまは私に翼は与えてはくれなかった。
けれど、試練に耐えたご褒美に転機をくれた。

母の母国に一緒に移住するという転機を。
それが父との別居を意味する事など知らずにいた私はただ嬉しかった。

やっと呪われた毎日から逃れられた事に。


しかしそれからの人生も私には幾度も幾度も試練が訪れて来た。
その都度解決策を模索しながらも耐え続けるとやがて転機が訪れた。


リセットしてはまた試練が与えられる。
その繰り返しの人生。

 

今回もまた、転機が訪れた。
目の前の苦しみから解放されるはずなのに
素直に喜べない。

だって、ここで終わりじゃないから。
いつもまたその先に何かが降りかかる。

 

 

 

 


目に見えない苦しみから

私は一生逃れられない運命なのかも知れない。

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